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【チームレポート】辛酸を舐めた2020年、飛躍を志す2021年

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2020年6月2日、横浜開港記念日にアジアリーグアイスホッケーに参入し、その日から早くも半年が経ちました。コロナ禍での出航。それは想像以上に厳しい戦いに。1人でも多くの方に会場で試合を見ていただきたい、そう思う反面、一席間隔でしか動員できない状況が今もなお続いています。ヘッドコーチのマイク・ケネディや外国籍選手のロマン・アレクセエフ、マット・ナトルも、開幕してからしばらくはチームに合流できずにいました。

それでも「できない」を数えるのではなく、「できる」を探して。

新しいチームとして自分たちにしかできないこと。それは「デュアルキャリア」としての覚悟を持ち、常に100%を注ぐこと。そしてその姿をより多くの人に届けることだと考え取り組んできました。その結果、新規参入やデュアルキャリア、地域連携活動や次世代タレント発掘、そしてチアリーダーズのGIRTS TOPAZなど、多くの切り口でメディアやSNSを通し、我々の姿を皆さんにお届けできたのではないかと思います。その少しずつの積み重ねで、わずかでも日本アイスホッケー界に新たな風を吹かすことができたのではないかと思っています。

しかし現実は甘くないことも痛感しました。

ジャパンカップは強豪・王子イーグルスに1-8、0-12と大敗したところからのスタートでした。あの時流した涙は今もなお、そしてこれからも忘れることはないでしょう。

絶対に同じ悔しさは味わわない。そう決意して望んだ10月17日、ホーム開幕戦のひがし北海道クレインズ戦は1-4での敗戦。周囲からは一週間の修正を評価する声も耳にしましたが、選手は誰一人そこで満足していませんでした。その思いが少しだけ形になったのが翌日の試合。第3ピリオド終盤でスコアは前日と同じ1-4。菊池秀治・平野裕志朗のゲームアウトにより厳しい状況となるなか、試合終了2分前に取った1点は、自分達が戦えるチームであることを証明するかのようなゴールでした。

次は勝てる。いや、勝つ。

そう志して臨んだアウェーでの東北フリーブレイズ戦では、終盤まで勝機のある試合を演じることはできたものの、あと少し力及ばず黒星となりました。特に印象的なのが連戦2日目となった11月1日の試合。試合開始早々に松渕雄太が先制ゴールをあげると、ルーキー・高井優希もそれに続く貴重な追加点。第2ピリオドに同点に追いつかれるも今度はルーキーながらチームを牽引する池田涼希が勝ち越しゴールをマーク。するとオールドルーキー・濱島尚人も黙っておらず、試合残り7分で勝利に大きく近づく追加点をあげました。

今日こそ。

横浜GRITSを応援してくださる誰もがそう思っていたはずです。選手も初勝利が頭をよぎったかもしれません。

しかし結果は逆転負け。再度アジアリーグの厳しさというものを突きつけられました。

いくら良い試合をしても、勝たなければ意味がない。

新しいチームだから許されるわけではなく、新しいことをするからこそ結果を残さなければならない。選手もスタッフもその意識を持っていることに疑いの余地はありませんでしたが、更なる努力が必要だということを思い知らされました。

11月29日、アウェーでのH.C.栃木日光アイスバックス戦。結果的に年内最終戦となったこの試合は来年に、そして初勝利に繋がる大事な一戦だったように思えます。

マット、ロマンの両外国人選手のゴールで第1ピリオドを2-0で終え、第2ピリオドに1失点するものの、濱島のゴールにより再び2点差とし3-1で第3ピリオドへ。この日は連戦の2日目、多少の疲労は見えたものの、選手一体となって勝利に向かってハードワークを続けました。

しかし、またもアジアリーグの厳しさを突きつけられる結果となってしまいました。試合残り7分で同点に追いつかれると、オーバータイムで逆転を許す結果に。

悔しい。

その言葉さえも軽く感じてしまうほどに悔しい思いを、“また”噛み締めることになりました。

初勝利は2021年までお預けとなってしまいました。それでも、残り7分の間で逆転されることなくオーバータイムへ持ち込めたことは、来年に向けて大きな、非常に大きな一歩になったのではないでしょうか。

その答えが示されるのは来るべき2021年です。この正月はどこのチームよりもホッケーのことを考え勝利の掴むための準備をする。その強い思いをチーム全員が持っています。

2021年は飛躍の年に。

来年も横浜GRITSを引き続き応援していただければこんなに嬉しいことはありません。YouTubeで、そして試合会場で、皆様と胸を熱くする時間を共にできるよう2021年も戦ってまいります。